SSブログ

紙の月☆ [映画]

先日、宮沢りえ主演、紙の月を観に行ってきました≡⊂( ^-^)⊃

poster2.jpg

☆あらすじ☆
1994年。梅澤梨花(宮沢りえ)は、子どもには恵まれなかったものの夫(田辺誠一)と穏やかな日々を送っている。契約社員として勤務する「わかば銀行」でも、丁寧な仕事ぶりで上司の井上(近藤芳正)からも高評価。支店では、厳格なベテラン事務員の隅より子(小林聡美)や、まだ若くちゃっかり者の窓口係・相川恵子(大島優子)ら、様々な女性たちが梨花と共に働いている。だが一見、何不自由のない生活を送っている梨花であったが、自分への関心が薄く鈍感なところのある夫との間には空虚感が漂い始めていた。ある夜、梨花の顧客で裕福な独居老人の平林(石橋蓮司)の家で一度顔を合わせたことのある孫の光太(池松壮亮)と再会した梨花は、何かに導かれるように大学生の彼との逢瀬を重ねるようになる。そんな中、外回りの帰り道にふと立ち寄ったショッピングセンターの化粧品売り場。支払い時にカードもなく、現金が足りないことに気づいた梨花が手を付けたのは、顧客からの預かり金の内の1万円だった。銀行に戻る前にすぐに自分の銀行口座から1万円を引き出して袋に戻したが、これが全ての始まりであった。学費のために借金をしているという光太に梨花は「顧客からの定期の申し込みがキャンセルになった」と200万を渡す。さらに顧客から預かった300万を自分の通帳に入れ、自宅で定期預金証書や支店印のコピーを偽造する……。やがて横領する額は日増しにエスカレートしていくのだった、上海に赴任するという夫には同行せず、梨花は光太と一緒に高級ホテルやマンションで贅沢な時間を過ごすが、光太の行動にも変化が現れ、ある日、光太が大学を辞めたことを告げられる。そんな折、隅が、銀行内で不自然な書類の不備が続いていることを不審に感じ始めていた……。


直木賞作家である角田光代さんの原作。
映画化されたものだと八日目の蝉が有名ですね。



紙の月 (ハルキ文庫)

紙の月 (ハルキ文庫)

  • 作者: 角田 光代
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2014/09/13
  • メディア: 文庫



八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)

  • 作者: 角田 光代
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/01/22
  • メディア: 文庫



対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

  • 作者: 角田 光代
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/10/10
  • メディア: 文庫




『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督。


桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: Blu-ray



日本の映画賞を総なめにした話題作なんですが、私はまだ観れてなくて(;∇;)
WOWOWで放送されたのを録画してあるんだけど、まだ観れてないんです…
でも紙の月がとても面白かったので、ぜひ近いうちに桐島も観たいと思ってます。

紙の月の原作は未読だったので、サスペンスとしてとても楽しめました。
評価が真っ二つに分かれてるような気もするんですが、悪い評価をしてる人のレビューを読んでいると、そちら側には特に共感もしないでそう感じる人もいるんだなーって気持ちになるだけだったので、私の評価はよいです。

主要人物のどの役者さんも演技がすばらしかった。
なんといっても宮沢りえさん☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
とても美しい人…でもほうれい線とか年齢を感じさせる容貌なんだけど、その枯れ感が逆によかった。
見た目がよいってこともこの役には必要だったことなんだけど、美しさが不倫相手と一緒に居るときに引き出されていくのを見事に演じてた。

sub1_large.jpg

2人の関係が原作やドラマ版では丁寧に描かれていたそうだけど、映画では本当に唐突なのw
笑っちゃうぐらいwww

そこが批判点にもなってるんだけど、私はそうは思わなかった。
惹かれあってる男女に言葉なんて要らないし、音楽の演出や心がドキっとした瞬間の時が止まったような演出はいいと思った。

ドライヴみたいに目と目があえば、そこに説明なんていらないのだ。
そうなることはこの映画の中のことばでいえば「ありがち」なのである。

この映画で丁寧に描かれているのは男女の恋の過程ではなく、どうして横領に手をそめるのかというそちらの心の動きだった気がする。



ドライヴ [Blu-ray]

ドライヴ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: Blu-ray



演出がいいのかな、編集がいいのかな、監督がいいのかな。
どこを褒めるべきなのかわからないけど、私は好きな演出だった。
パッと切り替わるカメラワーク、編集、カット割り。

そういえばPerformaが出てきたね。
私もあれ持ってたんですよ!
初マックがあれでした。
懐かしかった。

激しい濡れ場も情熱的な赤と陰影でとても美しく撮影されていた。
池松くんはなんだったっけ…他の作品でも激しいやつ演じてたのあったよね…

今ノリにのってる役者さんですね。
この前の情熱大陸観たけど、今年の出演作品数1番じゃないのw

MOZUのジョーカーも大絶賛ですよw私は♡

sub3_large.jpg

びっくりしたんですが、小林聡美さんのキャラクターは映画オリジナルなんですね!
これがもうとてもよくて!!!
小林聡美さんの作品はよく観てるんですが、CMのようなほんわかした雰囲気の役もできればこういうクセのあるちょっと怖そうな役も巧いんですよね。
主人公と対峙するシーンはとても見応えがあった。

銀行横領、強盗っていうとすいか思い出しました。
私が大好きな木皿泉さん脚本のドラマ。



すいか DVD-BOX (4枚組)

すいか DVD-BOX (4枚組)

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD



銀行強盗犯が小泉今日子さんで、その同僚が小林聡美さんだった。

sub2_large.jpg

あともうひとりすばらしく演技があってたのが、大島優子さん。
小悪魔的な魅力で主人公との対比がよかった。
あぁ別に悪いことでないのかもと思わせていく。

冒頭の賛美歌が流れてきたときから、あぁ抑圧された学生時代を送ってきたのかなと想像した。
あの寄付が原作設定にあったのかどうかわからないけど、人に与えることで自分の存在価値を見出している。
それは正しいことだと信じて突き進む思考回路。
怖いけど真面目に生きてきて、淡々と幸せそうに暮らしている日常にこそ、ほんのちょっとしたことで悪いことへ転落してしまうことってあるんだろうなって。
人は弱くて、ギリギリのところで生きてるんだと思うんです。
ほんのちょっとの力が加わったらそちらに傾いてしまうようなギリギリさ。

sub4_large.jpg

偽物と本物の違いってどこにあるんだろう。
キレイだからいいじゃない

ってあのボケた老女に言われた時ドキっとしたよね。

怖い映画でした。

最後目線を投げかけたのが夫ではなかった。
夫はきっと彼女がいなくなっても別に変わらぬ日常を続ける。
今まで彼女に関心を示してなかったように。

目線を投げかけたのは不倫相手。
一度でも彼女と向き合ったから。

私はラストいいと思ったな。
彼女はずっと逃げていてほしい。
ずっとずっと逃げて、それが彼女の人生を生きるってことだと思うから。

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。