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小さいおうち☆ [映画]

山田洋次監督作品、小さいおうちを観に行ってきました≡⊂( ^-^)⊃

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☆あらすじ☆
東京郊外にあった少しモダンな三角屋根の家で女中として働いていた当時の思い出を大学ノートに書き記していくタキ(倍賞千恵子)。昭和11年、タキ(黒木華)は上京し、時子(松たか子)と雅樹(片岡孝太郎)の夫婦とその息子が暮らす平井家で働き始める。優しい時子やかわいらしい息子のいるその家での穏やかな暮らしは、一人の青年(吉岡秀隆)の出現により変化する。時子の気持ちが揺れ、恋愛事件の気配が漂う中、タキはある決断をする。タキの死後、このノートを読んだ親類の健史(妻夫木聡)は、遺品の中からタキが封じ込めた秘密に関わる手紙を見つける……。

原作は直木賞受賞、中島京子の小説を映画化。




小さいおうち (文春文庫)

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  • 作者: 中島 京子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/12/04
  • メディア: 文庫




原作を読む前に映画を観ました。
原作はこれから読みます。

でも原作読んだ人から違いもいろいろ聞いて今ビックリしてるとこですw

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松たか子さんと黒木華さんがすばらしくよかった!

黒木華さんうまいですね。
女中顔!
あっさりした控えめな面立ちに頬が染まった様子がとても純朴そうでこの役とてもぴったりでした。

そして松さんも品のある感じがとてもいい。
母の顔、女の顔、苛立ち、そのちょっとした表情や仕草がうまいわ。
育ちの良さがそのままこの役に反映したというかw

演技って育ちの良さがなくても品の良さを表現したりすることだとは思うけど、それでもにじみ出る気品や富裕層の朗らかで明るい雰囲気。

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旦那さん役が片岡さん。
滑舌がいいですよね。


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現代シーンにはタキの孫役に妻夫木さん。

これまたいい人で…ラストシーンでタキの遺品で見つかった宛名なしの未開封のお手紙をずっと開封せずに持ってるような人なんですよ。
この人の良さはジャッジの主人公を思い出しました。


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孫が過去を探していくのは永遠の0のようなスタイル。


現代と過去を行き来することで当時の考え方との対比をうまく演出していたと思います。
あとどちらの時代も出てくる食べ物がとても美味しいそうに描かれていたのがとても印象的でした。

お雑煮、うどん、とんかつ、角砂糖ふたつの紅茶、カルピス。
普通のお茶も湯冷ましをつかって丁寧に淹れられていたと思います。

小さな木のお盆にうどんと御新香みたいにちゃんと小皿がついててひとつの世界を作ってた。
和食が世界文化遺産になったけどこういう家庭の食事の世界も和食を構成する要素のひとつなんじゃないかな。
タキさんが孫にとんかつを振舞うとき、揚げたてだからといって出してたけど、とんかつを全部揚げてからじゃなくて、孫の分をひとつ揚げてから切ってだして、自分の分はそのあと揚げてたんだよね。
その人のために作るってことが美味しさをさらに引き出しているのかな。
それが愛情だったり心遣いだったり。
美味しさのスパイスみたいに感じた。

食事が美味しそうな映画ってハズレがないんですよね。
ぱっと思い出すのがカモメ食堂とか。
あのシナモンロールとか珈琲ってとても美味しそうだったじゃないですか。


かもめ食堂 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD






タキの小さな罪のはっきりとした答えは描かれない。
私はこの映画を観た後、小池真理子の恋を思い出した。




恋 (新潮文庫)

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  • 作者: 小池 真理子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/12/25
  • メディア: 文庫




最近ドラマ化もされた作品ですけど、恋の主人公のように、タキはきっと奥さんのこと好きになってるんですよね。
戦争に突入していくあんな時代でもタキは幸せだったという。
あのモダンな赤い屋根のおうちも家族もまるごと全部タキは大好きになってしまったからこそその幸せを壊したくなかった。
それに板倉さんを思う女としてのジェラシーもあったと思う。

だから小さな罪を犯した。
それはずっとずっと心残りで死ぬまでずっと抱えていた(^-⊂)

女中としての心構えの教えももしかしたらあったのかな…

原作では奥様の子供連れ子なんですってね!
聞いて工エエェェ(;`ω´;)ェェエエ工って叫んじゃったwww

映画ではまったくそのことは触れず。
映画化する上で原作からストーリーをそのままするのではなくて、ある種特化して演出することはよくあるけど、映画だけをみたらこれはこれでストーリーが成り立ってるし、面白いですね。

そして演出が上手だなって思ったのが、下宿のところ。
足部分だけを見せるカメラワークとか、1回目の訪問ではお茶をもってきてと頼んだのに、2回目はお茶を用意しているところを映しながらお茶はいらないからという。
この想像力をかきたてる演出うまいですよね!
帯のところは私でも想像はつくけど、男の人の下宿では姿見なんてないだろうし、帯を締めるのすごく難しかったと思います。
出かける前に帯結ぶシーンを入れてる。
編集が上手なのかな。

一つ一つのシーンの魅せ方がうまいなという印象。

山形から出てくるところの雪のシーンもあれだけの雪!吹雪の中歩いてくる。
コントかよ!って思うほどのシーンなんだけどw
あき竹城さんの方言も雪も後で出てくる雪の話にも繋がるし、方言も話すシーンがあとで出てくるんだよね。
だから効果的な1シーンになってる。


音楽もよかったですね。
久石譲さん。
映像にあってた。

136分あるんだけど長さを全く感じさせない映画だった。

東京家族とのキャスティングがかぶってるところが多かったけど、やっぱり山田洋次監督って映画撮るの上手なんだなって再認識した作品でした。



そういえばアウトデラックスに生まれてくる時代を間違えたwモガ、モダンガールの人出てたけど、この小さいおうちのことよくできてましたと褒めてましたねw


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